更新日:

2026/7/28 08:15

採用専任のいない少人数の会社が、職場の雰囲気まで入社前に伝わる採用サイトをつくった事例

株式会社GOROの採用サイトの企画・撮影・制作と、公開後の改善

株式会社GOROの採用サイトの企画・撮影・制作と、公開後の改善

サマリー

  • 課題:代表が自作したNotionの採用ページは、見ていたのがほぼ社内の関係者だけだった。ほかの会社の採用サイトと並べると内容が薄く、面談の前にGOROを知ってもらえる状態ではなかった

  • 実施:応募の入口をカジュアル面談に絞り、候補者が何を確かめに来るのかから構成を作り直した。メンバー一人ひとりの仕事への姿勢を短いコピーにしてから撮影し、よくある質問と選考の流れも載せた。公開後も直し続けている

  • 成果:公開後に加わったメンバー3人は、入社を決める前に採用サイトで一緒に働く人を確かめていた(うち2人は面談の前に5〜10回ほど)。面談では採用サイトに書いてあることを踏まえた質問が増え、訪問の25%が求人のページへ進んでいる

【背景】自作した採用ページを見ていたのは、社内の関係者だけだった

GOROは、Web支援・UIUX支援・AI支援を手がける10〜15名ほどの会社です。採用の専任者はおらず、採用の責任者でもある代表を含む数名が、ほかの仕事と並行して採用を担っています。

代表は次の期の採用に向けて、採用の土台になるサイトを撮影込みで作ると決めました。まずは代表がNotionで採用ページを自作して公開しています。

公開して数日で分かったのは、ページを見ているのがほぼ社内の関係者だけだということでした。求人サイトに募集を出すだけでは、候補者に見つけてもらうことすら難しい状態です。代表は、ページの中身にも足りないものがあると感じていました。

  • 候補者が知りたい情報を、ページとして整理できていなかった

  • ほかの会社の採用サイトと並べると内容が薄く、GOROを選ぶ理由が伝わらなかった

  • GOROで何ができて、何ができないのかが分からなかった

採用ページを置くだけでは候補者には届かない。ここから、採用サイトとしての作り直しが始まりました。

関連記事:採用サイト制作の費用相場|作り方別の目安と内訳・抑え方

【前提】作りはじめる前に決めたこと

採用サイトの要件は、代表がNotionのページを作る前にまとめていました。最初に決めたのは、採用サイトに何を任せるかです。

GOROは、大量に採用したいわけではありません。採りたいのは、事業の方針に合う数名です。採用にかけられる手間にも限りがあります。そこで採用サイトの目的は、応募の数を増やすことではなく、面談の前にGOROを知ってもらい、候補者が自分に合うかを判断できる材料を渡すことに置きました。

決めたことは4つです。

  1. 目的:採用の勝率を上げる/入社後のミスマッチを減らす/代表が面談にかける時間を減らす/採用の資産にする

  2. 入口:応募の入口はカジュアル面談の申し込みにそろえる。採用を担う人が数名なので、候補者が迷わない作りにする

  3. 最優先のターゲット:ディレクター。続いて事業開発(BizDev)、デザイナー

  4. 役割分担:採用サイトは応募の入口に集中させ、会社や人の詳しい話はコーポレートサイト、代表のnote、メンバーが書くブログ「週刊GORO」に任せる。代表のnoteは、この採用サイトづくりをきっかけに始めた

採用サイトで何を伝え、入口をどこに置くかから一緒に決めたい方は、GOROの「採用サイト制作」をご覧ください。募集する職種がまだ固まっていない段階でも、ご相談いただけます。

関連記事:採用サイトのデザイン参考事例15選|100社調査で見る構成の型

【アプローチ】候補者の動きから、写真とコピーまで

「良くも悪くも普通」のワイヤーフレームから、目的に立ち返る

ページの骨組みを描いた最初のワイヤーフレームを見た代表の感想は「良くも悪くも普通」でした。必要な情報はそろっています。それでも、GOROらしさが出ておらず、候補者がGOROに興味を持つ理由を作れていませんでした。

ワイヤーフレームを担当したデザイナーの矢部は、何のために作るのかに立ち返りました。「来てほしい人に来てもらうには、どんなコンテンツが要るか」「何でGOROらしさを伝えるか」から考え直しています。

候補者がどこから来て、何を確かめに来るのかから設計する

考え直すにあたって、来てほしい人物像(ペルソナ)と、その人がGOROを知ってから応募するまでの流れ(ジャーニーマップ)を作りました。GOROの候補者が、いきなり採用サイトにたどり着くことはほとんどないと考えたからです。求人サイトで気になった、スカウトが届いた、面談が決まった。そうしたきっかけのあとに、どんな会社かを確かめに来る使われ方を想定しました。

確かめに来た人が見たいのは、演出ではなく中身です。募集要項、働き方、どんな人と働くのか。そこに迷わず届く構成を前提にしました。

そのうえで、GOROが事業をどう進めているかの考え方を伝えるセクションと、勉強会など社内で力をつける取り組みのセクションを加えました。AIの取り組みをどう見せるかは、3つの案を並べて比べています。

コピーを先に決めてから撮る

プロのカメラマンに依頼し、1日かけて撮影しました。撮影の前に、メンバー一人ひとりの仕事への姿勢を15字ほどのコピーにまとめ、その言葉に合う場面を撮っています。

  • 撮るもの:PCで作業しながら話している場面/個人の写真/カメラを意識していないオフショット/勉強会の4種類

  • 写真の数:一人2枚。真面目な1枚と、カーソルを重ねると切り替わるカジュアルな1枚

  • トーン:表情はやわらかく笑顔の多いものに。色はニュートラルでコントラストが高く、色の乗った写真に

撮影の段取りは、デザイナーの矢部が担当しました。構図の参考になる写真を集めて香盤表(撮影の順番と内容をまとめた表)を作り込み、当日は表を見れば進められる状態にしていました。ところが当日は代表の体調がすぐれず、香盤表のとおりには進められません。カメラマンと相談しながら、その場で順番を組み直しました。

撮影の途中にはカメラマンから、サイトで隣り合う写真が似てしまうという指摘もありました。勉強会の写真が続く箇所は、会議室だけでなくラウンジでも撮るように変えています。個人の写真は、ライティングをそろえるために全員を続けて撮りました。撮影場所が目指したトーンより暗めだったことは、次の撮影に活かす反省として残しています。

矢部はこの撮影を、次のようにふり返っています。

関連記事:採用サイトのデザイン参考事例15選|100社調査で見る構成の型

写真を活かすデザインと実装

デザインはコーポレートサイトのビジュアルの決まりをもとに、色やフォント、写真の表情で少しやわらかくしました。お客さま向けのコーポレートサイトは専門性を伝える場所ですが、採用サイトには社内の雰囲気や人の関係性を伝える役割もあるからです。

実装も矢部が担当しました。使ったのは、コードを書かずにサイトを作れるFramerです。矢部にとっては初めてのツールで、外部の詳しい方に教わりながら進めています。

  • ページを開いて最初に見える部分で、カードがパラパラとめくれる動き。自然に見えるまで何度も調整した

  • メンバーの写真にカーソルを重ねると、働いている場面の写真に切り替わる

  • メンバーインタビューは、ページを移らずにその場で開く

  • スクロールに合わせて文字に色がつき、背景色がふわっと変わる

  • ページの一番下にある「O」の文字から、メンバーの顔がぴょこっと出る

アニメーションは、候補者が見たい情報にさっと届くことの邪魔をしない範囲にとどめました。演出が主役になると、誰のためのサイトか分からなくなるからです。

【運用】公開してから、直し続ける

採用活動がすでに進んでいたため、完成を待たずに1次公開しました。最低限の形で先に出したことで、そのあと細部のアニメーションにこだわる時間を取れたと矢部は話しています。

時期

直したこと

2026年4月

1次公開

4月

採用サイト設計のセミナーを受けて、メンバー紹介に過去の失敗を足す。「社員旅行」を「チーム合宿」に言い換える

5月

2つめの版を公開

6月

アニメーションを含めて完成

7月

SNSで公開を告知

8月

総務・経理の募集を追加

9月

ミッションの文言を修正

9〜10月

代表ブログとメンバーのブログへの導線を追加

失敗談を足したのは、実際の仕事は挑戦と失敗の連続で、良いことばかりのメンバー紹介では実態から遠くなるからです。「社員旅行」を「チーム合宿」に変えたのも同じ理由です。年に1回、総会としてメンバーで都外に出ていますが、目的はチームの力を高めることにあります。

公開後にGOROに加わったデザイナーの樺沢は、いまは採用サイトの更新作業にも関わっています。作る側に回って、こう感じたそうです。

関連記事:採用サイトのコンテンツ例25項目|100社の掲載率と見直し方

【成果】面談の前に読まれ、面談での質問が具体的になった

求人でGOROを知った2人は、面談の前に何度も見ていた

公開後にGOROに加わったデザイナー3人に、採用サイトをどう使ったかを聞きました。まずは、求人をきっかけにGOROを知った小出果林と樺沢泰斗です。

小出は求人サイトのHERP CareersでGOROを知り、採用サイトは応募の前から見ていたといいます。

面接にはデザイナーの高杉も同席したため、とくに高杉がどんな人なのかを知りたかったそうです。

樺沢は求人サイトのWantedlyで、UIUXデザインや制作の会社を探しているなかでGOROを見つけました。カジュアル面談と面接の前に5〜6回ほど見ていて、よく見たのはメンバーインタビューです。

2人とも、働きはじめてから見たメンバーの姿は、採用サイトで受けた印象のとおりだったと話しています。

もともとGOROを知っていた人には、「今のGORO」を伝えていた

3人目のデザイナー、山美威音は、以前からGOROのメンバーと同じプロジェクトで働いていました。GOROのことは、一緒に進めた仕事を通して知っていました。

山美が採用サイトをしっかり見たのは、入社を考えていたときの1回です。働くイメージをつかみたくて、メンバーの雰囲気と、取り組みや事例のページを見直しました。

一緒に働いていたころに見えていたのは、プロジェクトで関わる部分だけでした。GOROがAIにどう向き合っているか、社内でどんな取り組みをしているかは、採用サイトを見て初めて知ったといいます。

ワイヤーフレームの段階で足した、事業の進め方の考え方と、社内で力をつける取り組みのセクションは、GOROを知っている人にとっても新しい情報になっていました。

働きはじめてからの印象も、採用サイトのとおりだったそうです。

山美は、採用サイトの代表メッセージにある「変化の波に“乗る”のではなく、専門性を持って“使いこなし”、価値に変えるチーム」という言葉が、そのまま形になっていると感じたと話しています。

決め手は、会って話した人だった

一方で、3人がGOROに来ることを決めた材料は、採用サイトではありませんでした。

  • 小出:知り合いから聞いた話と、代表への直接の相談、食事の席でメンバーと話せたこと

  • 樺沢:デザインの学習コミュニティ「BONO」に入っているメンバーがいて、安心材料になったこと

  • 山美:選考の中でGOROのメンバーと関わったときの雰囲気

3人にとって、採用サイトは入社の決め手そのものではありませんでした。そのかわり、どんな人がいて、どんな雰囲気で働いているのかを確かめる場所になっていました。

面談で、採用サイトに書いてあることを踏まえた質問が増えた

代表が面談で感じている変化は、候補者からの質問です。メンバーや組織の活動など、採用サイトに書いてあることを踏まえた質問が増えました。よくある質問に評価の軸を、選考の流れに各段階で話すことを載せてからは、質問がより具体的になっています。

応募の段階でも、候補者が自分に合うかを見極めてから来るようになったと代表は感じています。明らかにGOROに合わない人の応募の割合が減り、そのぶん採用にかかる手間も減りました。

公開から半年ほどの採用サイトへの訪問のうち、25%が求人のページへ、13%がコーポレートサイトや代表のnote、メンバーのブログへ進んでいます。応募は求人のページへ、詳しい話はコーポレートサイトやnoteへ、という、作りはじめる前に決めた役割分担に沿った動きです。

社外からの反応

SNSで公開を告知した際には、Framer Japanの公式Xで紹介されました。ChatGPTやGeminiなどのAIに「GOROはどんな会社か」と尋ねると、回答の出典に採用サイトが挙がることもあります。

候補者が面談の前に確かめたいことから、採用サイトの中身を決めたい方へ。GOROの「採用サイト制作」では、ターゲットの整理から社員インタビュー、撮影、公開後の更新までを支援しています。

担当者の声

代表・採用の責任者 旭俊成

採用サイトは、応募を増やす道具というより、合う人に選んでもらうための材料だと考えています。GOROでも、メンバーの活動まで載せたことで、面談では採用サイトに書いてあることを踏まえた質問が増えました。採用は事業に合わせて変わり続けるので、直しやすい形で作っておくことが大切だと感じています。

ディレクション・デザイン・実装 矢部珠希

採用サイトは、デザインの前に「どんな人に来てほしいか」「何で自社らしさを伝えるか」を決めることが大切だと感じました。今回もワイヤーフレームの段階で目的から問い直し、事業への考え方を伝えるセクションが生まれました。コンテンツとデザインの両方から一緒に考えたい方は、ぜひご相談ください。

【これから】事業が変わるたびに、直せる採用サイトに

しっかり作っても、事業が変われば採りたい職種も変わります。更新の腰が重いと、採りたい人と募集している枠が少しずつずれていくので、GOROは事業と採用の方針に合わせて採用サイトをすぐに直せる体制を目指しています。

新しく加わったメンバーの話からは、まだ伝え切れていないことも見えてきました。

  • 休暇や休業の制度をもっと詳しく知りたくて、小出はほかのページを回って探していた

  • 入社したあと、どんな流れで仕事に入っていくのかは、採用サイトからは分からなかった

  • 樺沢は働きはじめてから、制作よりもディレクション寄りの仕事が多いと感じた

  • 組織としての課題や、中期的に強めたいところが分かれば、自分の志望するポジションやキャリアの段階がどう合うかを想像しやすい、と山美は話していた

こうした声も次に直すときの材料にしていきます。

今回はGOROの「採用サイト制作」をもとに進めました。採用サイトの目的や入口を決めるところから相談したい方は、お気軽にご連絡ください。

1ページの採用LPから始めたい方は、Studioテンプレートの事例「BtoBの支援会社が、1ページの採用LPから始めて採用サイトへ広げられるテンプレート」もご覧ください。

採用サイトづくりに役立つ記事

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クレジット

プロジェクトオーナー:旭俊成(GORO 代表)/ディレクター:矢部珠希/デザイナー:長島明子、矢部珠希、栗田茉奈/実装:矢部珠希/インタビュー:栗田茉奈、高杉優作、矢部珠希/撮影:大嶋千尋

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