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採用サイトを作る・見直すときに、参考になる事例を探していませんか。ただ、見た目の素敵なサイトを集めても、自社にどんな構成が合うのかは決めにくいものです。GOROがWebデザインギャラリーに載った採用サイト103社を調べたところ、見た目より先に、何を、どの順で、どこに置くかという設計に共通の型がありました。本記事では、設計の参考になる15社の事例と、103社の調査から分かった構成の型を紹介します。
この記事について
編集部
採用サイトのデザインというと、色や写真、動きのある演出を思い浮かべるかもしれません。ただ、求職者が採用サイトに求めているのは、見た目の新しさより、知りたい情報にすぐ届くことです。
中途の求職者の89.1%が、応募や入社を考えるときに採用ホームページを参考にしています(マイナビ「中途採用・転職活動の定点調査」、2025年10月、n=1,354)。参考にしている人(n=1,308)が重視する情報は、給与・手当・賞与(58.2%)、仕事内容の詳細(47.9%)、休日休暇・福利厚生制度(46.5%)の順でした。

多くの候補者は、いきなり採用サイトに来るわけではありません。求人媒体で気になった、スカウトが届いた、面談の前に確かめたい、といった場面で訪れます。GOROの採用サイトでも、訪問の約半分は社名の検索からでした。
「どんな採用サイトだと企業の印象が良くなるか」という問いに、視覚演出が凝っていることを選んだ中途の求職者は2.89%でした。1位は「募集要項がすぐに見つかる」の45.98%で、15倍以上の差があります(中途採用における採用サイト利用実態調査2024年度版(株式会社ベイジ)、n=3,317)。
どんな採用サイトだと、企業の印象が良くなるか(複数回答) | 割合 |
|---|---|
募集要項がすぐに見つかる | 45.98% |
具体的な情報が多い | 42.63% |
都合の悪い情報も正直に載せている | 36.24% |
情報量が多い | 31.53% |
社員やオフィスの写真が多い | 25.20% |
視覚演出が凝っている(グラフィック・アニメーションなど) | 2.89% |
UIが変わっていて個性的 | 2.26% |
出典:中途採用における採用サイト利用実態調査2024年度版(株式会社ベイジ)。上位5項目と下位2項目を抜粋
一方で、古さは減点になります。キャリタスの調査では、採用ホームページのデザインや情報が古いと関心や志望度が下がる、と答えた学生が87.8%いました(2024年6月、2025年卒の学生n=1,030)。
見せ方を工夫すれば、会社を実態より魅力的に見せることはできます。ただ、できないことをできると書いたり、いない人がいるように見せたりすれば、誇張を越えて嘘になります。入社した人が「思っていた環境と違う」と感じれば、数年で辞めてしまうこともあるでしょう。
GOROは、採用サイトのデザインで最も大事なのは「会社のリアルを、分かりやすく、かつ魅力的に伝えること」だと考えています。本記事でいうデザインは、見た目の装飾ではありません。何を、どの順で、どこに置き、どうつなぐかという設計のことです。
103社の中から、設計の参考になる15社を紹介します。社員50〜1,000名前後の会社を中心に、業界が偏らないように選びました。上場企業が4社、非上場の会社と法人が11社です。
15社は、設計の5つの観点で3社ずつに分けています。
観点 | 紹介する会社 |
|---|---|
1. 仕事が見えにくい業種で、仕事の中身を見せる | トヨックス(製造)、JR西日本電気システム(鉄道電気)、あかつき証券(金融) |
2. 会社ならではの数字で、実態を見せる | サイバーリンクス(IT)、廣野鐵工所(製造)、大野記念病院(医療) |
3. 応募者が聞きにくいことに、先に答える | 山水閣(旅館)、日東物流(物流)、サン・ワード(ブライダル) |
4. 探しやすくする | シーアールイー(物流不動産)、フローレンス(保育・福祉)、博展(イベント・空間) |
5. 応募の手前に受け皿を置く | グローバル・リンク・マネジメント(不動産)、グローウィン・パートナーズ(コンサル)、エフピオ(社労士法人) |
画像は、各社の採用サイトのトップページと、見どころのページの画面です(2026年10月15日取得)。画面の切り抜きと縮小のほかは加工していません。社員数は、調べたときに各社のサイトなどで確認した数です。
観点1|仕事が見えにくい業種で、仕事の中身を見せる
BtoBのメーカーや、人目に触れにくいインフラの仕事は、求職者が働く姿を想像しにくいものです。3社は、図や地図、事業の数字で仕事の中身を見せています。

画像:トヨックスの採用サイトのトップページより(2026年10月15日取得)
富山県黒部市の産業用ホースのメーカーです(非上場・社員300名)。トップページでは、社員より先に「ホースとは何か」を2段かけて説明しています。身近な散水ホースから入り、工場の「血管」と呼ばれる産業用ホースの話へつなぐ流れです。
職種紹介のページの特徴は、お客様からマーケティング、開発、製造、営業を経てお客様に戻る業務フローの上に、各職種を並べていることです。職種どうしの関係が1枚で分かるため、BtoBのメーカーになじみのない人でも、自分がどこで働くのかを想像できるでしょう。

画像:トヨックスの採用サイトの「職種紹介」より(2026年10月15日取得)
「データで見るTOYOX」には、産業用ホースの国内シェア60〜70%など、会社の強みが分かる数字が並びます。FAQでは、車通勤や住宅補助、転勤の有無といった、地方のメーカーで気になる点に先に答えています。

画像:トヨックスの採用サイトの「トヨックスってどんな会社?」より(2026年10月15日取得)

画像:JR西日本電気システムの採用サイトのトップページより(2026年10月15日取得)
JR西日本グループで、鉄道の電気工事や情報通信の工事を担う会社です(非上場・社員987名)。駅や線路の電気設備の工事は、利用者の目に触れにくい仕事です。
地域貢献のページでは、街のイラスト地図にピンを立て、押すと「どこで、どんな仕事をしたか」が出る作りにしています。ファーストビューの「当たり前の日常を支える」という言葉を、地図で具体的に見せている形です。

画像:JR西日本電気システムの採用サイトの「NESCOの地域貢献」より(2026年10月15日取得)
夜勤も隠していません。社員紹介には、夜勤の日の流れを21時50分の出勤から翌朝6時45分の退社まで載せ、夜間勤務手当の金額も書いています。ナビの順番とトップページの並びをそろえているので、上から読むと会社、仕事、人、環境、応募の順に理解が進みます。

画像:あかつき証券の採用サイトのトップページより(2026年10月15日取得)
証券会社です(非上場・社員242名。親会社は東証スタンダードに上場)。トップページは、事業・社員インタビュー・募集内容への入口を置いただけの短い構成で、詳しい話は下層のページに任せています。
「数字で見るあかつき証券グループ」には、平均年齢や男女比ではなく、預り資産残高や提携するIFA(金融商品仲介業)の外務員数の推移を、グラフで載せています。IFAとは何かの説明が添えてあるのも、業界の外から来る人には助かる点です。

画像:あかつき証券の採用サイトの「私たちのビジネス」より(2026年10月15日取得)
社員インタビュー8本は、入社の理由、業務、研修、同期、休日、時刻つきの1日と、同じ型でそろえています。読み比べやすく、取材のテンプレートとしても使いやすい作りです。
観点2|会社ならではの数字で、実態を見せる
「数字で見る」のページには、平均年齢や男女比など、どの会社でも似た項目が並びがちです。3社は、制度の使われ方や職員の満足度など、会社の実態が分かる数字を選んでいます。

画像:サイバーリンクスの採用サイトのトップページより(2026年10月15日取得)
和歌山に本社を置くIT企業です(東証スタンダード・社員590名)。ワークスタイルのページでは、制度の説明の横に、実際に使われている実績の数字を並べています。テレワーク制度の横にはテレワーク率(全社47.8%、エンジニア63.7%)、時差出勤制度の横には月平均の労働時間を置く、という具合です。

画像:サイバーリンクスの採用サイトの「ワークスタイル・オフィス環境」より(2026年10月15日取得)
新入社員アンケートからは、プログラミング経験のない入社者が57.4%、車で通勤する人が50.8%という数字を出しています。未経験から入る人が多いことや地方での働き方が、説明を読まなくても数字で分かるのがポイントです。
社員インタビューの一覧は職種で絞り込めます。トップページがメニューと同じ順に並んでいて、目次の役割も果たしています。

画像:廣野鐵工所の採用サイトのトップページより(2026年10月15日取得)
大阪府岸和田市の金属部品メーカーです(非上場・社員155名)。ファーストビューは写真を使わず、英字の大きな文字で「仕事を楽しむ」「挑戦を楽しむ」「人生を楽しむ」など、5つの「楽しむ」を見せています。
強みのページの章の名前は、5つの「楽しむ」と同じです。各章の見出しには、「平均年齢36歳。新しい意見も採用。」のように、形容詞ではなく事実を1つずつ置いています。最高年齢75歳、年6回の面談といった数字が、言葉の裏づけです。

画像:廣野鐵工所の採用サイトの「廣野鐵工所の強み」より(2026年10月15日取得)
職種紹介では、各職種の社員1人のキャリアを1年目・7年目・11年目の3点で示し、本人のインタビューへつないでいます。仕事の説明から、仕事をしている人の話へ自然に進めます。

画像:大野記念病院の採用サイトのトップページより(2026年10月15日取得)
大阪・南堀江で100年続く病院です(社会医療法人)。職員満足度調査(2025年1月、有効回答439)の15問を、すべて公開しています。「給与に満足?」という問いでは、満足・普通の合計が37%と、低い数字も隠していません。低い項目に、処遇改善や採用活動など病院としての取り組みを一言ずつ添えているのも特徴です。

画像:大野記念病院の採用サイトの「職員満足度」より(2026年10月15日取得)
個人のインタビュー記事を何本も作る代わりに、職員アンケートの一言回答を135件並べ、「決め手」「ギャップ」「課題」などのテーマで絞り込めるようにしています。カードには部署・年代・勤続年数のラベルが付きます。
部門のページも、数字・教育・キャリア・先輩の声・年代別のメリットという同じ型です。部門が増えても読み比べやすい作りです。
観点3|応募者が聞きにくいことに、先に答える
離職率や休日の働き方、ノルマの有無などは、気になっても面接では聞きにくいものです。3社は、聞かれる前に答えています。

画像:山水閣の採用サイトのトップページより(2026年10月15日取得)
栃木県那須町の旅館です(非上場・社員45名)。「働く人を知る」のページに、平均勤続年数(8.5年)や年間休日、出身地、未経験者の比率と並べて、新卒採用の直近5年の離職率30%を載せています。
離職率の横にあるのは、「卒業した先輩たちは、どんな道に進んでいる?」という欄です。被災地で和食料理店を開いた調理スタッフなど、辞めた3人の進路を在籍年数とともに紹介しています。数字だけでは身構えてしまう離職率も、進路を添えると、旅館での経験が次の道につながっていることまで伝わるでしょう。

画像:山水閣の採用サイトの「働く人を知る」より(2026年10月15日取得)
仕事を知るのページでは、早番・遅番の時刻や、昼の「中抜け」まで、1日の流れを時刻つきで書いています。

画像:日東物流の採用サイトのトップページより(2026年10月15日取得)
関東エリアで食品の配送を担う運送会社です(非上場・社員104名)。採用サイトは、トラックドライバーの中途採用に絞っています。
募集要項のページには「ご家族へ」の欄があり、「トラックドライバーは、ダサい仕事でしょうか?」と、業界のイメージに正面から触れています。同じページに「面接のポイント」もあり、応募する本人だけでなく、家族の心配にも答える作りです。

画像:日東物流の採用サイトの「募集要項」より(2026年10月15日取得)
約38問のFAQでは、自分専用の車になるとは限らないことや、架装(トラックに手を加えること)は認めないことなど、できないことも書いています。応募は、名前・年齢・連絡先を入れるだけのフォーム、LINE、電話の3つから選べます。社員の紹介も水彩の似顔絵で、50〜60代のベテランが中心です。

画像:サン・ワードの採用サイトのトップページより(2026年10月15日取得)
岐阜県で結婚式場を運営する会社です(非上場・社員109名、うちパート・アルバイト77名)。職種ごとのページにQ&Aを置き、「ノルマはありますか?」に、個人とチームの目標があると答えています。勤務は土日祝が中心で平日に振替休日を取ること、繁忙期の時期と残業時間も書いています。
社員・パート・インターンで入口を分けているのも特徴です。パート・アルバイトのページには働き方の違いを比べる表があり、エントリーフォームでも最初に応募の種別を選びます。

画像:サン・ワードの採用サイトの「パート・アルバイトをお考えの方へ」より(2026年10月15日取得)
インタビューには番外編の質問があり、社員が自社の式場や衣装、料理をどう使いたいかを語っています。社員の紹介が、式場の紹介も兼ねているのが面白い点です。
観点4|探しやすくする
求人や社員の記事が増えると、目当ての情報を探しにくくなります。3社は、絞り込み、ラベルの統一、ページの絞り方で、探しやすさを保っています。

画像:シーアールイーの採用サイトのトップページより(2026年10月15日取得)
物流施設の開発や管理などを手がける、物流不動産の会社です(東証プライム・社員262名)。採用情報のページの「募集職種を探す」では、採用区分(新卒・中途)、勤務地、事業、職種の4つの軸で求人を絞り込めます。求人の詳細と応募は、外部の採用管理ツール(HRMOS)に任せています。

画像:シーアールイーの採用サイトの「採用情報」より(2026年10月15日取得)
求人が18件ほどでも、軸で絞れれば、自分に合う求人がすぐに見つかるでしょう。トップページでは、社員より先に「物流不動産とは何か」に答える会社と事業の説明を置き、ヘッダーのナビと同じ順に並べています。
ファーストビューの「あなたの やってみたい を、聞かせてください。」は、全ページの末尾にある応募の案内にも使われています。

画像:フローレンスの採用サイトのトップページより(2026年10月15日取得)
保育や障害児の支援、病児保育などに取り組む認定NPO法人です(職員721名)。社員の記事、求人、イベントのすべてに、同じ6つの職種の分類を付けています。社員の記事からは同じ職種の仲間や説明会へ、求人の詳細からは同じ職種の社員の記事へ進める作りです。
イベントは「お仕事について話を聞いてみたい」「現場を見たい、体験したい」など、参加する人の気持ちで探せるようにしています。求人の詳細には「カジュアル面談に申し込む」と「応募する」のボタンを並べ、まだ応募を決めていない人の入口も用意しています。

画像:フローレンスの採用サイトの「イベント情報(中途採用向け)」より(2026年10月15日取得)
記事の数が多い大きなサイトですが、職種の分け方を1つに決めてラベルをそろえる考え方は、記事が少ないうちから取り入れられるはずです。

画像:博展の採用サイトのトップページより(2026年10月15日取得)
イベントや展示会など、体験の場をつくる会社です(東証グロース・社員501名)。ナビは「人を知る」「仕事を知る」「会社を知る」「採用情報」の4つだけで、サイトマップに載っているページは9つです。
各ページの冒頭にページ内の目次を置き、1つのページの中で目当ての話へ飛べるようにしています。ページを増やさないので、更新の手間も小さく済みます。
社員の話は、プロジェクト単位の「チームから知る」と、1人ずつの「個から知る」の2本立てです。個人のカードには入社年次の帯が付き、ファーストビューで切り替わる社員の一言には、個人インタビューの見出しを使っています。

画像:博展の採用サイトの「人を知る」より(2026年10月15日取得)
観点5|応募の手前に受け皿を置く
「まだ応募するほどではないが、話は聞いてみたい」という人は少なくありません。ところが、103社のうちカジュアル面談の入口があったのは19%でした。3社は、応募の手前に軽い一歩を用意しています。

画像:グローバル・リンク・マネジメントの採用サイトのトップページより(2026年10月15日取得)
投資用不動産の開発などを手がける会社です(東証プライム・社員132名)。応募の入口は、LINEの友だち追加に絞っています。ヘッダー、下層のページの右側に付いてくる枠、インタビュー記事を読み終えた直後、ページの最後と、同じボタンが何度も出てくる作りです。
社員インタビューは「20代の管理職」「仕事と子育ての両立」などのキャリアの型で選び、見出しの構成を全員でそろえています。カルチャーのページにも同じキャリアの型を「キャリアモデル」として並べていて、自分に近い型の人を探せます。

画像:グローバル・リンク・マネジメントの採用サイトの「カルチャーと成長支援」より(2026年10月15日取得)

画像:グローウィン・パートナーズの採用サイトのトップページより(2026年10月15日取得)
財務やM&A、経営管理の領域のコンサルティング会社です(非上場・社員100名)。採用の対象は中途です。インタビューは、顧客企業の役員との対談、社員のインタビュー、卒業生(退職した人)のインタビューの3つに分けています。
卒業生のカードには今の会社と役職が載っていて、辞めた後のキャリアまで見えるのが、卒業生の枠のよさです。数字のページには、中途入社した人の前職の内訳や、退職率8.5%、平均の昇格スピード2.3年を載せています。

画像:グローウィン・パートナーズの採用サイトの「インタビュー」より(2026年10月15日取得)
募集要項は外部の採用管理ツール(HERP)に任せ、求人の1件目に「HP限定公開」のカジュアル面談の枠を置いています。サイトを更新しなくても、応募の手前の入口を増やせる方法です。

画像:エフピオの採用サイトのトップページより(2026年10月15日取得)
社会保険労務士法人です(非上場・社員59名)。採用サイトは、社員の記事を積み重ねる「採用メディア」の形をとっています。社員インタビューを社内ラジオにし、社員がMCを務めて毎週配信しています。外部に取材を頼まなくても本数が増え、79本になりました。

画像:エフピオの採用サイトの「エフなピーポー」より(2026年10月15日取得)
ファーストビューには社員19人を名前と職種つきで並べ、本人の記事に飛べるようにしています。画面の右下には「いつでも会社見学受付中!」の帯を常に表示し、説明会の日程を組まなくても、応募の手前の受け皿を作っています。
15選で紹介した設計は、103社の調査の中から選んだものです。ここからは、103社全体で見た構成の傾向を紹介します。
調べたのは、4つのWebデザインギャラリー(SANKOU!・Web Design Garden・MUUUUU.ORG・me ki ki ki)の採用サイトを中心とした103社です。調査は2026年10月14〜15日に行いました。業界を9つに分けて11〜14社ずつ選び、1社だけは検索で補っています。上場企業は32社、非上場の会社と法人は71社です。
各社のサイトマップやナビ、主なページを見て、載っているコンテンツ、階層の深さ、トップページの並び、応募の受け皿を記録しました。見落としがあると数字は低めに出るため、割合は「少なくとも」と読んでください。

103社に多かった構成を、知りたいことのまとまりで整理すると、「会社」「仕事」「人」「働き方」「募集・選考」の5つに分かれます。ナビの言葉は「社員紹介」のような名詞が38社、「〜を知る」の形が25社でした。
階層は、トップからカテゴリ、個別のページまでの2階層に収めているサイトが76%です。ページ数の中央値は31ページでした。
社員インタビューは、84%が一覧から個別のページへ進む作り(CMS)で、記事を増やしていく前提で作られています。一方で、募集要項を職種ごとの個別のページにしているのは21%にとどまり、応募は56%が外部の採用管理ツールで受けていました。求人の管理は採用管理ツール、会社の魅力を伝える記事は採用サイト、と役割を分けている会社が多いと読めます。

トップページは、最初に何を見せるかで3つの型に分かれました。
積み上げ型(62社):会社の紹介から入り、仕事、人、働き方、募集の順に上から読み進める
現場先行型(24社):社員やプロジェクトの話を先に見せ、事業や制度は後ろに置く
ハブ型(16社):新卒・中途・職種などの入口を上に置き、行き先を選んでもらう
社員50〜299名の会社では、23社中17社が積み上げ型でした。職種や採用区分が多くない会社では、上から順に読めば会社のことが一通り分かる並びが基本になります。
ハブ型は16社中9社が社員1,000名以上で、採用区分や職種が多い会社に向いた型です。現場先行型は社員1,000名以上の会社と新卒向けのサイトに多く、新卒向けでは24社中8社でした。15選では、トヨックスやサイバーリンクスが積み上げ型、フローレンスや博展が現場先行型、エフピオがハブ型にあたります。

業界ごとに見ると、トップページの型や応募の受け皿に違いがありました。各業界11〜14社のため、傾向として見てください。
金融・保険:積み上げ型は11社中3社で、現場先行型(5社)とハブ型(3社)が多い
IT・Web:14社中13社が外部の採用管理ツールで応募を受け、14社すべてがヘッダーに応募ボタンを置く
医療・福祉:11社中8社が自社のフォームで応募を受ける。ヘッダーに応募ボタンを置くのは5社
小売・飲食・サービス:11社中7社が、Indeedや就職ナビなどの求人サイトで応募を受ける
製造:11社中9社が、新卒と中途の入口を分けている
建設・不動産:新卒と中途の入口を分けるのは11社中4社で、ほかの業界より少ない
自社の業界の数字と比べると、同業がどこで応募を受け、トップで何を先に見せているかが分かり、構成を決めるときの材料になります。
同じ103社で、どのコンテンツを何割の会社が載せているか(25項目の掲載率と業界別の違い)は、次の記事で紹介しています。
関連記事:採用サイトのコンテンツ例25項目|100社の掲載率と見直し方
事例や調査の数字を見ても、自社に合う構成はすぐには決まりません。GOROがお客さまの採用サイトを作るときに、デザインに入る前に決めていることを紹介します。
「かっこいい採用サイトを作りたい」と相談されたとき、GOROはいきなり「なぜ作りたいのか」とは聞きません。まず、採用したい人がどんな人かを、ペルソナで確かめます。次に、採用したい人が会社を選ぶときの判断軸を聞いていきます。
誰向けのサイトかの認識がそろうと、かっこいいサイトが本当に必要なのか、何を伝えれば応募につながるのかが見えてくるはずです。
中途の求職者は、自分の経験や、今後挑戦したいことに会社が合うかを見ます。採用ホームページで重視されるのは、給与・手当・賞与、仕事内容、休日・福利厚生です(マイナビ、2025年10月)。
新卒の学生は働いた経験がない分、会社のビジョンや方針、成長・仲間・収入・キャリアといった得られるものを多めに見せる必要があります。見るページも段階で変わります。エントリーシートや面接の前には73.4%が企業理念・トップメッセージを見ていました。内定を受けるか決めるときには、68.9%が待遇・福利厚生・ワークライフバランスを見ています(キャリタス、2024年6月)。
ただし、新卒にもリアルを伝える前提は変わりません。比重は変えても、実態と違うことは書かないようにします。
採用サイトだけで、すべてを伝える必要はありません。GOROの採用サイトは1ページの構成で、応募の入口をカジュアル面談に統一しています。代表の考え方は代表のnote、メンバーの挑戦や失敗は週刊GOROと、詳しい話は別の場所に任せました。
採用担当が少ない会社では、入口を絞るほうが運用しやすくなります。求人の管理を採用管理ツールに任せるか、自社のフォームで受けるかも、デザインに入る前に決めておきたいことです。
採用サイトのデザインを、コーポレートサイトとそろえるか、独自にするかも先に決めます。GOROの場合、コーポレートサイトはお客さまに専門性を伝えるためのサイトです。一方で採用サイトは社内の関係性を伝える目的があるため、色やフォント、写真のシーンや表情を少し柔らかくしました。ビジュアルアイデンティティの土台はそろえたうえで、遊びを足しています。
GOROが制作した、ものづくりを楽しむ開発会社の採用サイトでは、「なんか楽しそうだな」と思えるコピーとデザインを独自性として加えました。メンバーで個人開発をしたり、チームでプロダクトを作ったりすることが多い、会社の実態に合わせた判断です。採用したい人と社内の実態に合わせて、コーポレートの土台の上に独自性を足すのが基本の考え方です。
GOROの採用サイト(2026年4月公開)で決めたことを、デザインの判断として紹介します。GOROは10〜15名ほどの組織で、オフィスで働くカルチャーがあります。
メンバー同士の関わり方や、働いている場面を、できる限りリアルに撮影しました。GOROはクライアントワークの会社なので、お客さまとの関係や、仕事への向き合い方が伝わる場面も意識しています。写真の仕上がりは、ニュートラルでコントラストが高く、色の乗ったトーンにしました。トーンはあくまで、リアルを魅力的に伝えるための手段です。
採用担当が数名に限られるため、入口はカジュアル面談に統一し、シンプルな構造にしました。代表のもとで働くこと自体が魅力になる規模なので、代表の考えが分かるnoteを、採用サイトの制作をきっかけに始めています。メンバーのリアルは、週刊GOROで伝えています。
公開から半年の数字を見ると、採用サイトを訪れたセッションの25%が、応募の受け皿(採用管理ツールの求人)へ進んでいました。13%は、GOROのWebサイトや代表のnote、メンバーの発信を見に行っています。
メンバー紹介には、過去に失敗したことを足しました。仕事は挑戦と失敗の連続で、成功したことだけを並べると実態から離れてしまうためです。
年に1回の行事も、「社員旅行」ではなく「チーム合宿」と書いています。会社の総会としてメンバーで都外に出る会で、目的はチームを強くすることだからです。楽しい行事でもありますが、実態に近い言葉を選びました。
公開後は、明らかにGOROに合わないと思われる人からの応募の割合が減りました。求職者が採用サイトを見て、自分で線を引いてくれた結果だと考えています。採用にかかる工数の削減にもつながりました。
採用サイトを公開しただけで、応募が大きく増えることはあまりありません。多くの候補者は、求人媒体やエージェント、スカウトで会社を知ったあとに、採用サイトを見に来るためです。
長い目で見れば、採用した人が活躍し、定着しているかが一番の成果になります。ただ、結果が出るまでに時間がかかるため、GOROは次のような割合の変化を見ています。
書類選考や面接の通過率
内定の承諾率
カジュアル面談から応募に進む率
応募の数が減っても、採用の人数が変わらなければ、合わない人の応募が減ったと考えられます。自社に合う人に来てもらう設計になっているかを、割合で確かめましょう。
採用サイトの構成やデザインを、自社の採用の課題から考えたい方は、GOROの「採用サイト制作支援」からご相談ください。
採用を進めながら、サイトづくりに時間をかけられない会社には、テンプレートが向いています。採用に必要な情報の枠がそろっているので、構成を考える手間を省けます。気をつけたいのは、型にない内容を入れにくいことです。会社の独自の魅力や、今後挑戦することを伝えたいのに枠がなければ、テンプレートを直す費用がかかります。作り方ごとの費用は、採用サイト制作の費用相場で解説しています。
見たい情報にすぐ届くなら、軽いアニメーションを入れること自体は問題ありません。GOROの採用サイトでも、雰囲気を伝えるために簡単なアニメーションを入れています。避けたいのは、アニメーションが主役になり、誰のためのサイトか分からなくなることです。多くの候補者がまず知りたいのは、求人や働き方、自分の役割です。
調べた103社のうち54%が、新卒と中途で入口を分けていました。サイトを丸ごと分けなくても、トップページやヘッダーで入口を分けるだけで、読む人は迷わずに済みます。採用の人数が多く、新卒と中途で伝えたいことが大きく違う場合は、サイトを分けることも検討しましょう。
採用サイトだけで応募が大きく増えることは、あまりありません。採用サイトは、求人やスカウトで興味を持った人が、会社を確かめに来る受け皿です。応募の数よりも、合う人の割合が上がっているかで成果を見るのがおすすめです。
採用サイトのデザインは、見た目の装飾ではなく、何を、どの順で、どこに置き、どうつなぐかの設計
103社の76%は2階層までの構成。社員インタビューは84%が記事を増やせる作りで、応募は56%が外部の採用管理ツールで受けている
トップページは積み上げ型・現場先行型・ハブ型の3つ。社員50〜299名の会社では積み上げ型が多い
参考事例の15社は、仕事の中身を見せる、会社ならではの数字を出す、聞きにくいことに先に答える、探しやすくする、応募の手前に受け皿を置く、の5つの観点で設計している
デザインに入る前に、誰に向けるか、新卒と中途の比重、採用サイトに任せる役割、コーポレートサイトとの関係を決める
公開後は、応募の数ではなく、合う人の割合で見る
ChatGPTやClaudeなどのAIに、本記事のURLを渡して次のように頼むと、自社に当てはめた叩き台を作れます。
この記事の内容を、社員◯名・◯◯業界・中途採用中心の会社に当てはめて、採用サイトのトップページの構成を3案出してください
この記事の15社の中から、自社(◯◯業界・社員◯名)に近い会社を3社選び、真似できる点を挙げてください
この記事の「デザインに入る前に決めること」に沿って、自社が決めるべきことを1つずつ質問してください
AIで作った叩き台を持って、GOROにご相談いただくこともできます。
GOROは、採用したい人と会社のリアルを整理するところから、採用サイトの構成・デザイン・制作までを支援しています。何から決めればよいか迷っている方は、GOROの「採用サイト制作支援」をご覧ください。
関連記事:採用サイト制作の費用相場|作り方別の目安と内訳・抑え方
この記事について
編集部
記事を書いた人

旭 俊成
株式会社GORO 代表取締役
UI/UXデザイン会社での実務を経て、スタートアップの1人目デザイナーとして、プロダクト開発からマーケティングまでを担当しました。2021年に株式会社GOROを設立し、Webサイト制作・UIUX設計・AI活用の3領域で企業を支援しています。BtoBのコーポレートサイトやオウンドメディアを立ち上げから公開後の改善まで手がけ、自社のコラムの運営も担っています。STUDIO・Framer公式エキスパート。Claude Codeの法人研修も提供しています。
事業を前進する
株式会社GOROが運営するコラムです。Webサイト制作・プロダクトのUI/UX設計・AI活用支援の現場で実際に手を動かしているメンバーが、成果につながった手法と実務で得た知見を発信しています。
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