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ユーザー体験向上を通じた事業成長と、推進力となるデザインチームの強化への貢献

クライアント
menu株式会社
プロジェクトの概要
フードデリバリー・テイクアウトサービス「menu」のUIUXデザインやデザイン組織強化の支援を担当しています。
スコープ
#UIUXデザイン #組織作り
期間
2021年〜現在
2019年にローンチした、フードデリバリー・テイクアウトアプリ「menu」。コロナ禍の影響も受け、2024年には導入店は全国9万店以上、2021年にはApp Ape Awardを受賞と急成長を続けてきました。
急ピッチで成長する事業に対し、運営体制もスピーディに拡大していく必要があります。しかし、2021年時点で、menu社のデザイン担当者はわずか2名という状態。今後のさらなる拡大に備え、多数の施策を的確に実行するためにデザイナーを拡充することが大きな課題となっていました。さらに、長期的にデザイン業務を安定して行うために、組織作りや若手メンバーの育成も求められていました。
GOROは外部パートナーとして、menu社のデザイン業務やデザイン組織作りをサポートしています。menu社のデザインチームにGOROのデザイナー2名が加わり、施策ごとにプロジェクトチームを作って伴走しています。施策の実行や壁打ち、メンバー育成のためのメンター役など、幅広くご支援をしています。
menuのアプリには一般ユーザー・飲食店・クルー(配達員)の3種類のユーザーが存在するため、それぞれの体験について整理・検討する必要があります。まずは、サービスの成長にとって最も大きな影響を与える一般ユーザーについて理解を深めるために、menu社へのヒアリングを重ね、商品を探し購入に至るまでの体験を整理し、課題を探しました。
その上で、様々な施策を実行し、UIUXデザインの改善をしてきました。各施策を実行するに当たっては、ABテストを繰り返し、より効果的な案を採用しています。結果、サブスクリプションユーザーの増加や検索体験の改善が実現されました。現在、一般ユーザー向けのサービスに加え、飲食店やクルー向けのサービス体験の向上にも取り組んでいます。
また、上記のような施策を実行しながら、menu社のデザインチーム強化のための施策も行っています。具体的にはGOROのメンバーがメンターのような立場で施策ごとのチームに入り、menu社の社員へのフィードバックや育成サポートをご提供しています。
menu社代表取締役副社長兼CEOの二ノ宮さん、menu社デザインチームマネージャーの和泉さんにお話を伺いました。近年のmenu社の動きや、デザインチームの変化、GOROとの取り組みなどについて教えていただきました。
―menuはサービスの立ち上げ以来、急成長を遂げられている印象があります。実際、これまでどのような成長の過程を辿ってきたのでしょうか?
二ノ宮:menuは2019年にローンチしたサービスなのですが、最初はテイクアウトのアプリとして開始しました。それから約1年が経ち、コロナ禍に突入する頃にデリバリーのサービスも追加しました。
東京や大阪などの都市圏を中心に利用いただいているサービスで、飲食店さんが9万店ほどご登録いただいています。コロナ禍のデリバリー需要も後押しし、自然と注目していただけるようになりました。

―2023年には、menuはKDDIとレアゾン・ホールディングスのジョイントベンチャーとなりました。これによって何か変化はありましたか?
二ノ宮:これまで3回、資金調達をしてきたのですが、昨年ジョイントベンチャー化した時も含め、KDDIさんからは毎回資金調達をさせていただいてきました。その度に感じるのですが、KDDIさんはかなり私たち側の意思や裁量を尊重してくださります。だから、良くも悪くも、ジョイントベンチャー化したことによる大きな変化はないんです。
正直、私も大企業に勤めていたこともあるので、合弁事業になることで難しい部分もあるのではないかと思っていました。けれど、全くそんなことはなく、今まで通り自分たちの意思に基づいて運営できているように感じます。
―マーケティング施策の面では、グループ企業やKDDIとのコラボレーションも効果的に活用されている印象があります。
二ノ宮:様々な施策に取り組んでいますが、最近で特徴的な事例を紹介すると、menuガチャというサービスがあります。2,000円以上商品を購入していただき、口コミを投稿するとおまけとしてガチャを回し、景品を獲得できます。(※)レアゾン・ホールディングスはゲームを軸に事業を展開しているので、ガチャなどの取り組みはシナジー効果が期待できますし、これは他のデリバリーサービスとの差別化にもつながると考えています。

その他にも、漫画やアニメなどのキャラクターとのコラボレーションも実施しています。2021〜2022年には『ONE PIECE』のキャラクターを広告塔として起用させていただいた例もあります。
それから、KDDIさんとの取り組みとして、auスマートパスプレミアムのサブスクリプション会員向けのmenuの特典の配布も行っています。これによって気軽にデリバリーを使っていただける機会が広がり、大きな反響をいただいています。
―GOROとの取り組みは、2021年頃から開始しました。当時、menu社はどんな状況だったのでしょうか?
和泉:当時、menuはデリバリーのサービスを初めて2年ほど経ち、世間的にはコロナ禍。サービスの需要が急拡大するなかで、デザインリソースも拡大しようとしていました。しかし、2021年時点でmenuのデザイン組織は私を含め2名のデザイナーでほとんどの業務を行っていました。
どうにか社員を採用しなければと思っていたところ、当社の採用担当者が旭さんを見つけ、連絡を取るようになりました。目的に立ち返ってみると、正社員でなくとも良いのではと思い、外部パートナーとしてGOROの力を借りることにしました。

―取り組み開始時、二ノ宮さんや和泉さんとGOROとの間でどんなことを会話されていましたか?
和泉:旭さんから、いろいろな角度でヒアリングしていただいた記憶があります。「そもそも何に困っているんですか?」「事業課題は何ですか?」「サービスの課題は何ですか?」「組織課題は何ですか?」と。それまでずっと、とにかく少ないリソースで走り回っているような状態だったので、旭さんに質問されて初めて言語化できた課題も多くあったように思います。
二ノ宮:サービスの理解や状況の分解もしていただきましたよね。menuのようなデリバリーアプリは、一般ユーザー・飲食店・クルーの3者がリアルタイムにマッチングする複雑なシステム。プロダクト自体の理解が結構大変なんですよね。でも、そこをきちんと紐解いて整理していただいたと思います。
―実際に施策を開始してからは、menu社とGOROはどんな役割分担で業務を進めていますか?

和泉:多くの場合は何か施策が動き出す際に、旭さんにUX部分のリサーチや設計をしていただき、ある程度方向性が定まったらmenuのジュニアメンバーがUIを作るという座組で進めています。また、ジュニアメンバーの育成もかねて、上流からジュニアメンバーがチャレンジし、旭さんにはアドバイザーとしてフィードバックをしていただく場合もあります。
―これまでに実施した施策で印象に残っているものはありますか?
和泉:色々な施策をご支援いただいていますが、サブスクリプションユーザーの増加に取り組んだ際には発見がありました。以前のmenuではデザイン改善を行う際に、あまり数字を意識せずにしていました。しかし、GOROとの取り組みが始まったのと同じくらいから「KARTE」の導入なども始まったので、より具体的にどこでユーザーが離脱しているのか見えるようになりました。
そこで大きな発見だったのは、オンボーディングの重要性です。ユーザー向けのオンボーディングが薄いとサブスクリプション加入率が下がるという仮説が浮かび上がり、新規ユーザー向けの導線強化に繋がりました。

二ノ宮:デリバリーアプリは初回登録に手間がかかりがちです。住所や支払い情報など、様々な情報の入力が必要になりますが、この順番や入力方法の伝え方を変えるだけでも、大きく離脱率が減ります。何度も検討いただいたおかげで、実際の数値も改善されました。この施策によって、チーム全体にもABテストをしっかりする文化が根付いたようにも思います。

―一般ユーザー向けの施策以外に、クルーや飲食店向けの施策にも取り組んでいますよね。
和泉:そうですね。特に最近はクルー向けアプリのUIUX改善にも一緒に取り組んでいただいています。これまで、クルー向けのアプリは割と「業務アプリ」という雰囲気で、淡白で情報に間違いがなければ良いという思想で作られていました。
しかし、やはりせっかく使っていただくならクルーの体験も向上していきたいという話が上がってきました。クルーの満足度が上がることで、配達の効率が上がり配達件数も増やせると考えたためです。旭さんはクルーの体験を知るために、実際にクルーとして働くことまでして、リアルな課題を見つけ出してくださっています。
―サービス作りの観点から、GOROとの取り組みにおいてよかったことがあれば教えてください。
二ノ宮:すごく幅広いプレイヤーの課題解決をご支援いただいた印象があります。先ほどお話に出たようなサブスクのUI改善はもちろん、数字の整理やそもそものプロダクトのビジョンや、ユーザー体験のあるべき姿の定義まで。表面的なことだけではなく、事業を良くするという視点で関わってくださるのがよいところだと思います。

―続いて、組織作りについて伺います。menu社ではこの2年でデザインチームが約2倍に拡大したとのことですが、どんなメンバーが所属していますか?
和泉:menuは新卒採用に力を入れていて、デザイナーも基本的には新卒で入社したメンバーです。いまは、新卒1年目から5年目まで10名のメンバーが所属しています。
二ノ宮:デザインはサービス作りの根幹に近い業務だと考えているので、外の文化に馴染んだ方よりも、新卒で入社いただいてmenuに合ったデザイナーを育成していく方がマッチしているのではないかと考えているんです。
―GOROとの取り組み以降、デザイン組織はどんな風に変化してきましたか?
和泉:デザイナーの対応領域が広がった感覚があります。ただ手を動かしてUIを作るのではなく、サービスの体験を設計できるようになってきた。なぜそうしたのかの説明ができたり、ユーザーの体験という観点からどうすべきか考えることができるようになったり、各メンバーの成長が見えます。

二ノ宮:私の視点からも、そういった変化は感じます。ミーティングに参加していると、若手のメンバーも含め、デザイナーがチームの思考を引っ張っていってくれているなと感じる場面があります。
それから、すごくいい意味で、ここ1年くらいで旭さんがミーティングで発言する割合が減りましたよね。最初はいつも旭さんが議論をリードしてくださっていたのですが、だんだん若手メンバーもそれを真似して、議論ができるようになってきた。最近は旭さんにはあくまフィードバックやサポートをしていただいて、各メンバーがより自律的に動けるようになったのがとてもよかったと思います。

二ノ宮:もう一つ、私が良い変化だと思っているのが、他職種とのコラボレーションが加速している点です。プロダクト作りはデザインだけではできなくて、色々な職種とのコラボレーションが必要ですよね。旭さんはそれを理解して、自主的に「これは〇〇さんに聞くと良いですか?」と職種を横断してコミュニケーションを取ってくださる。それに影響を受けて、デザインチーム全体としても、プロジェクトの回し方に変化が生まれたと思います。
―そう言っていただけて何よりです。今後のデザイン組織作りにおいて課題に感じていることはありますか?

和泉:以前よりも成長していますが、まだ経験値として浅い組織です。引き続き、GOROさんにサポートいただきつつ、思考の引き出しを増やし、旭さんが何も言わずとも考え切れるデザイナーが集まった組織にしていきたいですね。
二ノ宮:関連して、チームのスキルを高めるための言語化も強化したいです。和泉さんや旭さんの背中を見て育つ部分ももちろんありますが、それだけだと限界もあります。目指すべきデザイナー像や、そのためにすることなど言語化して共通認識を作っていきたいですね。
それから、手を動かすよりも考えることに割く時間を増やせるようにもしていきたい。各メンバーには世の中にはどんな体験があって、それのどこが良いのかなどのインプットを増やしてもらって、それらをアイデアに昇華して欲しいんです。体験の引き出しがデザインチームからこう無限に出てくるようになったら理想ですね。

―組織作りの観点から、GOROとの取り組みにおいてよかった点があれば教えてください。
二ノ宮:menuのデザインチームはどうあるべきか、どういうものを目指していくべきかというレベル感からお手伝いしていただけたのがとても助かりました。「ここだけやります」というのではなく、本当に幅広く、本質的な課題解決に携わっていただいているなと。
和泉:最初、正社員にこだわっていたのも同じ目線でコミットしてくれる人を探していたからなのですが、GOROさんは外部パートナーなのにそれを実現してくださっていると思います。こちらからいちいち指示を出さなくても、「こういう課題がある」と話せば次の会議ではリサーチした資料を用意してきてくださったりするので、すごく助かっています。
二ノ宮:先ほどもお話しした通り、UXはサービスの根幹なので、基本的には外部の人が入ることには後ろ向きだったんです。でも、GOROさんなら安心してお任せできます。
―最後に、menuの今後の展望を教えてください。
二ノ宮:現状、デリバリーサービスは他にもあって、我々のサービスが必ずしも第一想起を取れているわけではないんですよね。だからこそ、大切なのはユニークな体験だと思うんです。事業面でもプロダクト面でも他のサービスにはない魅力を作らなければならない。難易度が高いことですが、そのカギも体験のデザインにあると思っています。
和泉:そうですね。デザインチームとしては、そのユニークな体験作りのために、常に全体の半歩先の未来を考え、思考のリードをしていけるようにしたいです。

クレジット
プロジェクト
・UXデザイナー:旭俊成
・UIデザイナー:赤岩駿斗
インタビュー
・企画/インタビュー:白鳥菜都
・撮影:大嶋千尋
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