
ナレッジ
#
新規事業立ち上げ
#
サービス改善・グロース
更新日
オウンドメディアを始めたい、または始めたものの成果が見えず、うまくいっている会社が何をしているのかを知りたい、と考えていませんか。ネットで見つかる成功事例の多くは、PVの推計値や数年前の数字を並べたもので、自社に置き換えにくいのが実情です。この記事では、出典を確かめられた成功事例を7つ、目的別に紹介します。あわせて、自社のコラムを運営するGOROの経験から、成功の共通点と、真似しないほうがいいことも解説します。
この記事について
編集部
オウンドメディアの「成功」は、目的によって変わります。事例を見る前に、自社が何を目指すのかを決めておくと、どの事例を参考にすればよいかが分かります。
目的 | 成功の基準の例 |
|---|---|
リード獲得 | オウンドメディア経由の問い合わせや商談、リードの獲得単価 |
専門性・信頼 | 読み手からの指名、専門家としての認知 |
採用 | 応募のきっかけになった数、候補者の会社への理解 |
GOROのコラムは事業の集客が目的なので、自然検索から来た人の問い合わせを最終の基準にしています。PVは、読まれ方の変化を知るための参考値です。どの数字を目標にし、どう測るかは、オウンドメディアのKPIの決め方|PVより見るべき指標と測り方で詳しく解説しています。
2017年に開設された、ビジネス部門の意思決定者向けのメディアです。IT部門向けの情報はすでにコーポレートサイトにあったため、手薄だった読み手に向けて作られました。全リードの10%をメディア経由にし、リードの獲得単価を下げることを目標にしています。
KPIは、訪問した企業の数と獲得単価で、PVは参考値という扱いです。自社も競合もまだ取れていない語を狙い、伸びない記事に手をかけ続けるより、伸びそうな記事に力を集める運用をしています。開設5年で、月間80万PVを超えるメディアになりました(Web担当者Forumのインタビュー、2023年)。
人事の用語を解説するメディアです。立ち上げの前に、2年以上の費用対効果の試算を示して社内の合意を取りました。制作を6つの工程に分け、ライティングの指示書で品質をそろえています。
キーワードに優先順位をつけ、サービスのページへの導線を設計した結果、問い合わせなどの経路のうちオウンドメディアの割合は約2割から約5割に増えました。リードの獲得単価は半分になっています(ミエルカの導入事例、2020年の数字)。
Web制作会社のLIGが2007年から運営するブログです。社員が記事を書く文化で知られますが、記事の提出率が2割を切った時期もありました。提出のルールを「2か月に1本」に変え、人事評価に組み込み、外部の力も借りて立て直しています。
サイトのリニューアルで内部リンクが減ったときは、Web制作の問い合わせが月30件から20件に落ちました。内部リンクを戻し、発注に近い語のSEOに専任の担当者を置いたところ、月50件を超えるまでに回復しています。事業の拡大の影響も含む、と補足されています(Web担当者Forumの講演レポート、2024年)。
2016年に、労務の担当者向けとして始まったメディアです。2023年からは人事全般と、決裁をする層にも読み手を広げました。記事を、ホワイトペーパーやメルマガ、ポッドキャスト、イベントにも使い回し、1本の記事から複数の成果を得る工夫をしています。
2022年には、コンテンツマーケティング・グランプリのオーディエンスビルディング部門でグランプリを受賞しました。今は、PVやユーザー数よりメルマガの登録者数を重視しています(はてなのインタビュー、2024年)。
関連記事:BtoBのオウンドメディア|問い合わせにつながる始め方と体制
バックオフィスの担当者や個人事業主に向けて、会計や労務の基礎知識を解説するメディアです(2022年の発表時の名称は「バックオフィスの基礎知識」)。公認会計士や社会保険労務士などの専門家が監修し、情報の信頼性を担保しています。2022年2月には、月間1,000万PVを超えました(マネーフォワードのプレスリリース、2022年)。
BtoBマーケティングの支援会社である才流が、2018年から運営しています。外部の編集者との毎週の定例や、毎週金曜の30分の編集会議など、発信を続けるための仕組みを先に作りました。採用の基準に「コンテンツを作れる人」を入れていることも特徴です。
年間で数千件のリードにつながり、採用の面接を受けた人の9割が、事前に才流を知っていたといいます。効果は2〜3年単位の売上と利益で測っています(才流のメソッド、体制の記事)。
2012年に始まった、製品の宣伝をしないメディアです。会社の理念であるチームワークを、さまざまな角度から扱っています。人事と編集部が連携し、採用にも生かしてきました。
2019年のキャリア採用の入社者アンケートでは、約90名のうち30名が、サイボウズ式を応募のきっかけに挙げています。採用への効果が出始めたのは、開始から2〜3年後でした(Indeedのインタビュー、2019年の数字)。
目的は違っても、成果を出しているメディアには共通点があります。
共通点 | 事例 |
|---|---|
PV以外の指標を置いている | データのじかん(訪問企業数と獲得単価)、SmartHR Mag.(メルマガの登録者数) |
現場の専門家が書く、または監修する | LIGブログ(現場が書く記事)、マネーフォワード(専門家の監修) |
続けるための仕組みを先に作っている | メソッド(定例と編集会議)、LIGブログ(提出のルールと評価) |
記事をほかの施策に使い回している | SmartHR Mag.(ホワイトペーパー・メルマガ・イベント) |
始める前に社内の合意を取っている | カオナビ人事用語集(費用対効果の試算) |
年単位で続けている | サイボウズ式(効果は2〜3年後)、メソッド(2〜3年単位で測る) |

どの事例も、PVを増やすこと自体を目的にしていません。自社の目的に合う指標を決め、続けられる体制を作り、時間をかけて成果を積み上げています。
GOROも、Web制作やUIUXの支援を集客するためのコラムを運営しています。大きなメディアではありませんが、運営する側として見えてきた変化を紹介します。
サイト全体のセッションのうち、約7割がコラム経由になった
社名やサービス名での検索(指名検索)のクリックが、2.7倍に増えた
問い合わせが出ているのは、ほとんどが依頼先の選び方を扱う記事
Claude Codeの情報漏洩の記事が検索で1位になり、AIによる概要にも引用された

数字以外の変化もありました。Studioの運営会社や、ほかの制作会社にもGOROを知ってもらえる機会が増えました。GOROを知らなかった会社が、コラムで存在を知り、問い合わせてくれたこともあります。商談で「サイトの構成やデザインが良かったので相談した」と言われた商談も、直近1年で少なくとも5件ありました。コラムが、会社の仕事ぶりを見てもらう入り口にもなっています。
GOROは、オウンドメディアの立ち上げや作り直しも支援しています。リブ・コンサルティングの事業開発ポータルサイトでは、イベントのたびにサイトを作る運用から、情報を蓄え続けるサイトへの転換を支援しました。
過去のイベントの記録から最新の情報までを1つのサイトにまとめ、担当者が迷わず更新できるCMSを設計しています。上部には実績の数や参加企業のロゴ、主要な登壇者を載せ、イベントの信頼性が伝わるようにしました。公開後も、担当者が迷わず更新できています。
関連記事:オウンドメディア制作会社おすすめ6選|目的別の選び方と比べ方
成功事例を見ると、記事を増やせば成果が出るように思えるかもしれません。しかし、記事の数を増やすだけでは問い合わせは増えません。
GOROが相談を受けたあるIT支援の会社は、SEOの記事の制作を月30万円ほどで外注していました。記事はどんどん増え、検索からの流入も増えましたが、問い合わせにはつながらなかったそうです。半年ほど続けた記事の多くは、やり方を解説する内容でした。読めば悩みが解決するため、サービスに興味を持つ理由にならなかったのです。
有名なメディアのPVや記事数を、自社の目標にするのもおすすめしません。目的も、かけられる人手も会社によって違います。真似するなら、PVの大きさではなく、どんな読み手のどんな悩みに答えているかを参考にしましょう。
関連記事:オウンドメディアのSEO対策|問い合わせにつながる記事の作り方
オウンドメディアの成果は、すぐには出ません。紹介した事例でも、サイボウズ式は採用への効果が出るまでに2〜3年、才流も効果を2〜3年単位で測っています。GOROも、コンテンツマーケティングを始めてから、AI経由の問い合わせが来るまでに1年ほどかかりました。
時期 | 起きること |
|---|---|
公開から3か月ほど | 記事が検索エンジンに登録され、狙った語で表示され始める |
3か月〜1年 | 順位が上がり、検索からの流入が増えてくる |
半年〜1年以降 | 問い合わせや商談、採用などの成果につながり始める |
オウンドメディアは、どの会社にも合うわけではありません。次のような場合は、ほかの手段を優先したほうがよいこともあります。
すぐに成果が必要な場合。広告や展示会、紹介のほうが、結果が出るまでが早い
記事を作り続ける人手を確保できない場合
自社のサービスについて、発注に近い悩みで検索する人がほとんどいない場合
実際に、オウンドメディアに明確な目標を置いて運営している会社は多くありません。広告や展示会のほうが早く成果が出るため、マーケティングの人手がそちらに取られやすいからです。始めるなら、いつまでにどのくらいの成果が出なければ見直すか、という線を先に決めておきましょう。
BtoBは、読み手が少なく、検討に時間がかかります。PVよりも、問い合わせや商談、リードの獲得単価など、発注に近い指標で成果を見るのが一般的です。BtoCは、ブランドの認知や購入につながる読まれ方を重視することが多くなります。
出せます。GOROのように規模の小さい会社でも、発注に近い悩みに答える記事であれば、検索で上位を取り、問い合わせにつなげられます。大きなメディアの真似をするより、答える悩みを絞ることが大切です。
外注しても問題ありません。ただし、誰のどんな悩みに答えるかの判断と、自社ならではの一次情報は、社内で用意する必要があります。外注先に任せきりにすると、一般的な内容の記事が増え、成果につながりにくくなります。
オウンドメディアの成功は、目的によって基準が変わる。事例を見る前に、自社の基準を決める
成果を出しているメディアは、PV以外の指標を置き、現場の専門家の知見を生かし、続ける仕組みを作っている
記事の量産や、有名メディアのPVを目標にすることは真似しない
成果が出るまでには、半年から数年かかる。見直す線を先に決めておく
GOROでは、オウンドメディアの立ち上げから、SEOに強い構造の設計、CMSの構築、公開後の改善まで支援しています。自社に合う成功の基準から一緒に考えたい方は、GOROの「オウンドメディア制作支援」をご覧ください。
この記事について
編集部
記事を書いた人
GOROメディア編集部
企画・インタビュー・編集
Webサイト制作・UIUX設計・AI活用を支援する株式会社GOROの編集チームです。支援の現場で得た知見と、メンバーや専門家へのインタビューをもとに、BtoBサイトやオウンドメディア、Studio、AI活用の実務に役立つ情報を発信しています。
記事の監修者

旭 俊成
株式会社GORO 代表取締役
UI/UXデザイン会社での実務を経て、スタートアップの1人目デザイナーとして、プロダクト開発からマーケティングまでを担当しました。2021年に株式会社GOROを設立し、Webサイト制作・UIUX設計・AI活用の3領域で企業を支援しています。BtoBのコーポレートサイトやオウンドメディアを立ち上げから公開後の改善まで手がけ、自社のコラムの運営も担っています。STUDIO・Framer公式エキスパート。Claude Codeの法人研修も提供しています。
事業を前進する
株式会社GOROが運営するコラムです。Webサイト制作・プロダクトのUI/UX設計・AI活用支援の現場で実際に手を動かしているメンバーが、成果につながった手法と実務で得た知見を発信しています。
Claude Code セミナー受付中(先着10名)

毎月先着
5社限定
おすすめ記事

【2026年8月最新】Studioの料金プランを解説!有料と無料の...
#
【2026年8月最新】Studioの料金プランを解説!有料と無料の違い
#
【2026年8月最新】Studioの料金プランを解説!有料と無料の違い

StudioとWordPressを比較!中小サイトならノーコード一...
#
StudioとWordPressを比較!中小サイトならノーコード一択
#
StudioとWordPressを比較!中小サイトならノーコード一択

StudioはSEOに弱いと言われる理由5つと対策を専門家が解説
#
StudioはSEOに弱いと言われる理由5つと対策を専門家が解説
#
StudioはSEOに弱いと言われる理由5つと対策を専門家が解説
毎月先着
5社限定
Studio制作で失敗しないための
進め方ガイドブックをダウンロード

このサービス資料でわかること
Studio制作で失敗しないための進め方
成果を出すための設計・制作プロセス
導入事例と実績
リアルな費用感・スケジュール
おすすめ記事