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広告の費用が上がった、紹介に頼らないリードの入口がほしい、といった理由で、オウンドメディアを始めるかを検討していませんか。BtoBのオウンドメディアは、始めれば自然にリードが来るものではありません。自社に向くかを見極め、発注に近い悩みを選び、続けられる体制を決めてから始めると、問い合わせにつながります。この記事では、自社のコラムを運営するBtoBの制作会社GOROが、始め方と体制の作り方を解説します。
この記事について
編集部
オウンドメディアは、成果が出るまでに半年から1年ほどかかる中長期の施策です。早く結果がほしい場合は、広告や展示会、紹介のほうが向いています。実際に、マーケティングの人手が広告や展示会に取られ、オウンドメディアが後回しになっている会社は少なくありません。
向く会社 | 向かない会社 | |
|---|---|---|
成果を求める時期 | 1年以上の時間をかけて、リードの入口を育てたい | 数か月以内に、リードの数を増やしたい |
顧客の探し方 | 発注を考えた顧客が、検索で依頼先や解決策を調べる | 顧客が検索で調べることが少なく、紹介や営業で決まる |
社内の知見 | 現場に、顧客の悩みに答えられる専門家がいる | 顧客に伝えられる独自の知見や事例がまだない |
人手 | 記事を作り続ける担当者を置ける | 担当者を置けず、広告や展示会で手一杯 |

向かない会社が無理に始めると、記事が増えないまま止まるか、成果の出ない記事だけが増えていきます。まずは、自社の顧客が検索で依頼先を探しているかを確かめましょう。
GOROにオウンドメディアの相談が来るきっかけは、大きく2つです。
一番多いのは、新しいコンセプトのメディアを立ち上げるときです。SEOに強いサイトの構造や、コンセプトに沿ったデザインといった土台の部分は、専門の会社に頼んだほうが早く、品質も高くなる、という判断で相談をいただきます。
運営を続けているメディアからも相談があります。施策を重ねるうちにサイトの構造が複雑になり、ページが重い、保守の費用がかさむ、更新に時間がかかる、といった状態になっているケースです。構造から見直さないと、記事を増やしても改善しにくくなります。
一方、記事のSEOだけを改善したい場合は、SEOの専門会社やWebマーケティングの会社に相談する会社が多い印象です。サイトの土台から整えたいのか、記事の中身を改善したいのかで、相談先を選ぶとよいでしょう。
BtoBのオウンドメディアの目的は、リード獲得、専門家としての認知、採用などさまざまです。目的によって、何を成功とするかが変わります。
リード獲得が目的なら、最終の基準はオウンドメディア経由の問い合わせです。GOROのコラムでも、自然検索から来た人の問い合わせを最終の基準にし、途中の指標として、サービスのLPや資料ダウンロードのページへの誘導率を見ています。PVや記事数は目標にしていません。発注に近い悩みに答える記事なら、PVが小さくても問い合わせにつながるからです。指標の決め方は、オウンドメディアのKPIの決め方|PVより見るべき指標と測り方で詳しく解説しています。
BtoBのオウンドメディアで成果を分けるのは、どの悩みに答える記事を書くかです。GOROのコラムでも、問い合わせが出ているのは、ほとんどが依頼先の選び方を扱うStudio制作代行の記事です。
ある旅行会社は、制作代行の記事を読んで数社に問い合わせ、各社の営業担当者と話して比べたうえで、GOROに発注してくれました。品質や進め方の面で、安心して任せられると感じてもらえたことが決め手でした。依頼先を探している人が読む記事なので、問い合わせから発注までがつながりやすいのです。
反対に、やり方や意味を解説する記事は、読めば悩みが解決してしまうため、サービスへの興味につながりにくい傾向があります。記事の選び方の詳しい考え方は、オウンドメディアのSEO対策|問い合わせにつながる記事の作り方で解説しています。
BtoBのオウンドメディアが続かない理由の多くは、体制にあります。記事を書くのは社内か、外注か、AIか、という選び方ではなく、工程ごとに誰が担うかを決めるのがおすすめです。
工程 | 担う人 | 理由 |
|---|---|---|
誰のどんな悩みに答えるかを決める | 社内の人 | 読み手の悩みと本音(インサイト)の判断は、自社の顧客を知る人にしかできない |
一次情報を集める | 社内の専門家へのインタビュー | 自社の独自の知見や事例は、AIも外注先も持っていない |
調査と下書き | AI、または外注先 | 検索の傾向や上位の記事の調査、下書きは任せられる |
読みやすさの確認と仕上げ | 社内の人 | ルールがそろっているか、人が読んで分かりやすいかは、人が確かめて直す |

GOROのコラムも、表のとおりに分担して作っています。検索の傾向や上位の記事の調査、下書きにはAIを使い、何を書くかの判断と、社内の専門家へのインタビューは人が担っています。AIで書いた文章は、網羅的でも読みにくくなりがちです。人に読んでもらう記事は、答えを先に置き、短く分かりやすく直してから公開しています。
ほかの会社でも、体制の工夫が成果を支えています。LIGの「LIGブログ」では、編集部が中心になって書いた時期に記事の専門性が落ち、現場の社員が書く記事を復活させました(Web担当者Forumの講演レポート)。才流は、外部の編集者との毎週の定例など、発信を続ける仕組みを先に作っています(才流のメソッド)。
GOROがオウンドメディアの立ち上げを支援するときは、次の順に進めます。
目的と成功の基準を決める
読み手と、答える悩みを決める
狙う語を選び、上位に届くかを見極める
サイトの構造とCMSを設計し、デザインを作る
記事を作る(社内の専門家へのインタビューを含む)
公開後の数字を見て、記事を直す
サイトの構造とCMSは、公開後に担当者が迷わず更新できることを重視して設計します。リブ・コンサルティングの事業開発ポータルサイトでは、イベントのたびにサイトを作る運用から、情報を蓄え続けるサイトへの転換を支援しました。担当者が迷わず更新できるCMSを設計し、公開後もスムーズに運用されています。
オウンドメディアがうまくいかなかった会社には、共通点があります。
共通点 | 起きること |
|---|---|
記事の量産を外注し、中身を任せきりにする | 流入は増えても、問い合わせにつながらない |
読めば解決する悩みの記事ばかり書く | 読み手がサービスに興味を持つ理由にならない |
目標と見直しの時期を決めていない | 広告や展示会に人手が取られ、更新が止まる |
施策を重ねて、サイトの構造が複雑になる | ページが重くなり、更新や保守に時間と費用がかかる |
GOROが相談を受けたあるIT支援の会社は、SEOの記事の制作を外注し、半年ほどで記事も流入も増えましたが、問い合わせにはつながりませんでした。記事の多くが、やり方を解説する内容だったためです。GOROが改善を支援したある開発会社のメディアでも、記事の多くが技術の検証記録で、問い合わせの案内を置いても大きな変化はありませんでした。
どちらの例も、記事の数や見た目ではなく、どの悩みに答えるかの選び方に原因がありました。始める前に、いつまでにどのくらいの成果が出なければ見直すか、という線も決めておきましょう。
BtoBで成果を出しているオウンドメディアを、3つに絞って紹介します。
データのじかん(ウイングアーク1st):ビジネス部門の意思決定者向け。訪問した企業の数と、リードの獲得単価をKPIにし、PVは参考値として扱う(Web担当者Forum、2023年)
SmartHR Mag.(SmartHR):記事をホワイトペーパーやメルマガ、イベントにも使い回す。今はメルマガの登録者数を重視(はてなのインタビュー、2024年)
LIGブログ(LIG):リニューアルで内部リンクが減って問い合わせが落ち、内部リンクを戻して立て直した(Web担当者Forum、2024年)
ほかの事例や、成功の共通点は、オウンドメディアの成功事例7選|成果を出した理由と真似しないことで紹介しています。
AIの回答を読んで会社を知り、問い合わせてくる人は、GOROにもいます。ただ、記事の書き方は大きく変えていません。顧客の悩みを解決する情報を、自社ならではの視点で届けるという考え方は、検索でもAIでも同じです。
GOROのClaude Codeの情報漏洩の記事は、検索する人の悩みを分けて、上位の記事が答えていない悩みに絞った結果、検索で1位になり、AIによる概要にも引用されました。AIへの備えも、検索する人の悩みにきちんと答えることが土台になります。
GOROでは、記事数の目標は置いていません。発注に近い悩みに答える記事であれば、少ない本数でも問い合わせにつながります。競合のメディアの記事数は、発信量の目安として把握しておく程度で十分です。
問い合わせにつながるまでには、半年から1年ほどかかります。GOROも、コンテンツマーケティングを始めてから、AI経由の問い合わせが来るまでに1年ほどかかりました。
どちらも、調査や下書きを任せる相手として使えるでしょう。ただし、何を書くかの判断と、自社の一次情報を集めることは、社内で担う必要があります。外注先やAIに任せきりにすると、一般的な内容の記事が増え、成果につながりにくくなります。
BtoBのオウンドメディアは、成果が出るまで半年から1年かかる。早く結果がほしいなら、広告や展示会も比べる
最初に目的と成功の基準を決める。リード獲得なら、最終は問い合わせ、途中は誘導率
依頼先を選ぶ記事のように、発注に近い悩みに答える記事を選ぶ
何を書くかの判断と一次情報は人が担い、調査や下書きはAIや外注を使う
記事の量産、読めば解決する記事ばかりの状態、見直しの線がない状態は避ける
GOROでは、BtoBのオウンドメディアの立ち上げから、SEOに強い構造の設計、CMSの構築、公開後の改善まで支援しています。自社に向くかどうかから一緒に考えたい方は、GOROの「オウンドメディア制作支援」をご覧ください。BtoBサイト全体の見直しは、「BtoBサイト制作支援」でご相談いただけます。
この記事について
編集部
記事を書いた人

旭 俊成
株式会社GORO 代表取締役
UI/UXデザイン会社での実務を経て、スタートアップの1人目デザイナーとして、プロダクト開発からマーケティングまでを担当しました。2021年に株式会社GOROを設立し、Webサイト制作・UIUX設計・AI活用の3領域で企業を支援しています。BtoBのコーポレートサイトやオウンドメディアを立ち上げから公開後の改善まで手がけ、自社のコラムの運営も担っています。STUDIO・Framer公式エキスパート。Claude Codeの法人研修も提供しています。
事業を前進する
株式会社GOROが運営するコラムです。Webサイト制作・プロダクトのUI/UX設計・AI活用支援の現場で実際に手を動かしているメンバーが、成果につながった手法と実務で得た知見を発信しています。
Claude Code セミナー受付中(先着10名)

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