1. 異なる複数のドメインをStudioで運用したい場合Studioでは、「ringo.com」と「banana.com」のように、異なる複数のドメイン名でWebサイトを作成する場合、それぞれを独立した制作枠(プロジェクト)として作成・管理する形になります。ドメインが違えば、たとえ同じ会社が運営していても、別々のサイト=別々のプロジェクト=別料金として扱われます。▶Studioの料金プランについての詳細はこちらの記事で解説しています。【2025年4月最新】Studioの料金プラン改定!有料と無料の違いこんなときにドメインを分けると効果的異なるドメイン名でWebサイトを分けるのは、主に以下のようなケースで効果的です。異なる事業やサービスを展開している場合例:ringo.com は自社サービス紹介サイト、banana.com は研修事業サイトなどユーザー層や目的が違う場合例:エンドユーザー向けと法人向けで訴求内容を変えたいブランドを明確に分けて展開したい場合例:会社のブランドとは別に、新規事業を新ブランドで立ち上げるときまた、SEOの観点からも、テーマやキーワードが明確に異なるサイトを分けたいときには、ドメインを分けることで専門性が高まり、上位表示されやすくなる傾向があります。2. サブドメインを使ってサイトを増やしたい場合たとえば「ringo.com」はそのまま残しつつ、「recruit.ringo.com」や「blog.ringo.com」など、同じドメインの前に名前をつけて別のサイトを運用する方法を「サブドメイン」といいます。Studioでもサブドメインを使って複数のWebサイトを運用することは可能ですが、ここでも注意すべきポイントがあります。サブドメインでも料金は発生するStudioでは、サブドメインを使ってWebサイトを増やす場合も、それぞれ独立した制作枠(プロジェクト)として扱われ、別途料金がかかります。サブドメインで分けてもコストは変わらないため、「料金を抑える目的でサブドメインを使う」といったことはできない点に注意が必要です。サブドメインで分けると便利なケースサブドメインは、ブランドやドメインを統一しつつ、用途ごとに情報を整理したいときに便利です。たとえば以下のようなケースでは、メインのドメインを活かしながら柔軟にサイトを分けることができます。採用情報サイトを分けたいとき例:recruit.ringo.com で求職者向けの情報を掲載ブログやメディアだけ切り出したいとき例:blog.ringo.com にオウンドメディアを構築キャンペーンやイベント用の特設サイトを立ち上げたいとき例:event2024.ringo.com で期間限定のサイトを展開サブドメインを使うことで、同じブランド内で独立性のある情報発信ができるため、管理もしやすく、訪問者にもわかりやすい構成になります。3. サブディレクトリ(下層ページ)だけStudioで構築したい場合たとえば、会社全体のWebサイトはWordPressで作っているけれど、「/service」や「/campaign」といったサブディレクトリだけはデザイン性に優れたStudioで作りたい——そんなときに検討されるのが「サブディレクトリ構成でStudioを使う」という方法です。Studioでは、こうした構成も実現可能ですが、特別な機能の導入と比較的高額な費用がかかる点には注意が必要です。カスタムプロキシ機能の導入が必要Studioで example.com/blog のようなサブディレクトリ構成を実現するには、「カスタムプロキシ機能」という有料オプション機能を使います。この機能を利用することで、メインサイトはWordPressなど他のCMSのままにして、一部の下層ページだけStudioで置き換えることが可能になります。ただし、カスタムプロキシを利用するには、以下の2つの費用が毎月発生します:Business Plusプラン:9,980円/月〜カスタムプロキシ利用料:39,800円/月つまり、合計で49,780円〜/月のコストがかかるため、小規模なサイトや予算の限られたプロジェクトでは導入ハードルが高いかもしれません。また、導入にはDNS設定やサーバー構成の調整が必要となるため、ある程度の技術的な知識やサポート体制も前提となります。コストを抑えたいなら「サブドメイン」での運用がおすすめ「既存のWebサイトはそのままに、一部のコンテンツだけStudioで構築したい」というケースでは、サブディレクトリ構成にこだわらず、サブドメインでの構築を検討するのもひとつの方法です。たとえば以下のように構成すれば、通常のStudioプラン内で対応可能で、設定も比較的かんたんです。URL構成例システムexample.comWordPressrecruit.example.comStudio(採用情報サイト)blog.example.comStudio(オウンドメディア)ただし、URL構造の変更がリスクになる場合も一方で、既存のページにSEO評価(検索順位や被リンクなど)が蓄積されている場合は注意が必要です。サブディレクトリからサブドメインに切り替えることで、検索エンジンが「別のサイト」と判断し、SEO評価がリセットされる可能性があります。サブディレクトリとサブドメインの使い分けは、「そのページで積み上げた評価を残したいかどうか」が判断のポイントになります。どの構成を選ぶべきかの判断ポイントStudioで複数のWebサイトを運用する際、選べる構成は大きく分けて以下の3つです。異なるドメインで分ける例:ringo.com / banana.comサブドメインで分ける例:blog.ringo.com / recruit.ringo.comサブディレクトリ(下層ページ)で分ける例:ringo.com/blog / ringo.com/recruitどれを選ぶべきかは、SEO評価・費用感・運用のしやすさといった観点から判断するとスムーズです。各構成の比較表SEO評価の扱いコスト運用のしやすさ向いているケース異なるドメインドメインごとに独立(分散)プラン×サイト数+ドメイン費用管理は分かりやすいが設定はやや煩雑事業・ブランド・ターゲットが明確に異なる場合サブドメインSEO評価は引き継がれにくい場合もあるプラン×サイト数(ドメイン費用なし)Studioで手軽に増設でき、実装も比較的簡単採用サイトやキャンペーンなどを切り分けたい場合サブディレクトリSEO評価を引き継ぎやすい約5万円〜/月(カスタムプロキシ)導入ハードルは高いがURLは変えずに済む既存URLの変更ができない、SEO評価を守りたい場合Studioでの複数サイトの作成・管理方法Studioでは、1つのアカウントで複数のWebサイトを作成できます。それぞれのサイトは独立した制作枠(プロジェクト)として作成し、有料プラン(Miniプラン以上)に契約することで独自ドメインやサブドメインの設定・公開が可能になります。また、2024年にリリースされた「ワークスペース機能」を使えば、事業部・ブランドごとにサイトを整理・管理することもできます。※Studioのアカウントにはサイト数の上限はなく、必要に応じていくつでも作成可能です(ただし、公開にはサイトごとの有料プラン契約が必要です)。詳しくは Studio公式ブログ「ワークスペース活用例」 をご覧ください。Studioを使った複数サイト運用の活用事例3選Studioを活用すれば、目的やターゲットごとにWebサイトを柔軟に分けて運用できます。 ここでは、実際の企業がどのように複数サイト構成を取り入れているのか、代表的な事例を3つご紹介します。1. コーポレートサイトと採用サイトを分けて運用企業情報を発信するコーポレートサイトと、求職者向けに特化した採用サイト。目的やターゲットが明確に異なるため、1つのサイトにすべてを詰め込むよりも、分けて運用することで訴求力が高まります。例:example.com(コーポレートサイト)career.example.com(採用サイト)2. 新商品・キャンペーンLPの個別サイト化Studioなら、期間限定のキャンペーンや新商品の特設ページもスピーディに立ち上げ可能。ターゲットに合わせたデザイン・導線設計ができるうえ、終了後もアーカイブとして残せるため、再活用もしやすいのが特徴です。例:campaign.example.com campaign.example.com/01 campaign.example.com/02event2024.example.com3. 事業単位でのサイト分離新たな事業やサービスの立ち上げ時にも、Studioならサイトを追加するだけで柔軟に対応可能。ワークスペース機能を活用することで、複数のサイトを整理しつつ、それぞれの独立性も保ったまま効率的に管理できます。実際のサイト例:https://www.prosofee.com/(プロソフィー株式会社)https://tax.www.prosofee.com/(会計事務所プロソフィーアカウンティング)GOROでは、お客様と一緒に考えながら、「どこまでサイトを分けるべきか」といったご相談から、構成設計・制作・運用まで一貫してお手伝いしています。▶Studioで複数サイト導入を支援したプロソフィー社の事例はこちらで解説しています。プロソフィー株式会社のコーポレートサイトリニューアル「複数サイト」は設計次第で、大きな武器になるStudioを使えば、コーポレートサイト・採用ページ・キャンペーンLPなど、目的ごとにWebサイトを柔軟に切り分けて運用することが可能です。ただし、どの構成を選ぶかによって、費用感やSEO、管理体制に大きく差が出るため、事前に自社にとって最適な形を見極めることが重要です。